2012年11月7日水曜日

酒田現地指導

最上川を渡る橋の上から撮影した鳥海山

更新しないのもアレなので2週間ほど前に酒田に行ったときのことを書こうと思う。
遠距離恋愛中の恋人がこの辺に住んでおり、今回の酒田行きの目的はデートであった。

酒田は山形県の日本海に面した地域、庄内地方に位置する港町である。古くから北前舟を使った交易や最上川の水運で栄えてきた商業の町だ。私の母親が酒田の20kmほど南に位置する鶴岡の出身であり、私にとっては鶴岡と並び子どもの頃から身近な町である。私がいま住んでいる仙台からは高速バスで3時間、3000円程度で移動できる。隣県のわりには移動が億劫だが、奥羽山脈と月山・朝日連峰という2つの山を越えていかなければならない都合上仕方が無いことだ。

写真(iPhoneなので画質は悪い)は鳥海山だ。秋田との県境にそびえる2000m級の山で酒田からは大抵の日はよく見える。鶴岡からは天気がよくないとなかなか見えない山だ。春になると雪が溶け、酒田からはその模様が"種撒き爺さん"の形に見えるようになる時期がある。ちょうどこの時期が田植えにとって最適な時期であり、酒田周辺の稲作農家はこれを合図に田植えを始めるそうだ。

恋人とはイオンモールで合流し、近所の大学の文化祭、カラオケ、山居倉庫などを回った。大学の文化祭というものはあまり好きではないのだが、他大学の文化祭を見るという経験はなかなかに面白いものだ。地方の大学なので規模が巨大だったり超有名な芸能人が来たりするということはないのだが、かえって人出が少なくてのんびりとした雰囲気の中でデートを満喫できた。カラオケデートも非常に楽しく、お互いに2次元が好きなので本当に好き放題歌うことができた。

山居倉庫というのは米穀倉庫である。庄内地方は全国有数のコメの名産地であり、収穫されたコメを保管するために明治時代にこの倉庫が建設された。この倉庫の脇には美しいケヤキ並木が植えられているが、このケヤキ並木は飾りではなく、周囲の温度変化があっても倉庫内の気温をなるべく一定に保ち、夏は暑く冬は寒い庄内の厳しい自然環境からコメの品質を守る役割を負っている。倉庫自体も屋根を2重構造とするなどの工夫があり、木造でありながら優れた断熱・防湿性がある為、建設後100年以上を経た今もなお山居倉庫は現役で利用されている。

庄内地方のコメは大変美味であり、私も家で「つや姫」を炊いて美味しく食べている。金日成主席の名言に"すべての人民に白米肉のスープ"というのあるやはりアジア人としてはコメを大切にしていきたいものだ。

デート中の食事では「ステーキ宮」と「香林塔」を利用した。どちらも素晴らしい店であったが、前者はチェーン店なので今回はあえて後者を紹介したい。

この店は恋人から教わった店で、来るのは今回が初めてではなく数回目である。なお、香林塔は酒田ではなく、酒田と鶴岡のほぼ中間地点に位置する余目という町にある。ちなみに余目は"あまるめ"と読む。余目にある余目駅は県の日本海側を南北に走る羽越本線と内陸方面へ向かう陸羽西線とが接続する交通の要所であるが、余目の町自体は酒田や鶴岡と比べて大きくなく、広大な水田の広がるのどかな町である。香林塔は余目駅から数百mの場所に位置したログハウス風の店構えの洋食店である。吹き抜けの店内は木のぬくもりに包まれていて落ち着いた雰囲気で食事ができ、夕食時は地元客と思しき人々でいつも賑わっている。
香林塔のプレート

今回注文したのは写真のプレートである。このプレートは値段は1000円強でカレー、エビフライ、サラダ、ヨーグルト、ジュースを1度に楽しむことができる。いろいろなメニューを一度に食べられるというのは舌も楽しいし栄養の観点から言っても大変素晴らしく、一人暮らしで栄養が偏りがちな私にとっては非常にありがたい。そして、量もなかなかしっかりしているので満腹になれる。香林塔ではこの他にもスパゲティやハンバーグ、から揚げ、パン、スープ、アイスなどのメニューを同時に味わえるこの種のプレートメニューが何種類か揃えられている。

以上手短に振り返ったが、今回の旅行はデートとして素晴らしかったし、観光としてもとても楽しめるものだった。また機会があれば庄内について書きたいし、今度は鶴岡についても詳しく述べたいと思う。このブログを読んだ方も庄内地方をぜひ訪れたり、あるいは「つや姫」や「はえぬき」など庄内の美味しいコメをご賞味してみてはいかがだろうか。

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